ビジネス思考

絶対に100%間違いなく仕事が出来ない人の3つの特徴

さて、今回は少し刺激的なタイトルを。

このブログのビジネス思考カテゴリーの記事では、デキる人の特徴や効率の良い考え方を考察し、それを真似することで、自らも能力向上を目指すことがテーマの一つになっていますが、今回はその逆、出来ない人の特徴をまとめ、反面教師として教訓とし、そこから学ぶことを意図してみます。

今回は「絶対に100%間違いなく仕事が出来ない人の特徴」について考察します。

前置き

さて、ここでは「いつもぶつくさ文句を言っている」などのような、条件に当てはまったとしても必ずしも仕事が出来ない人とは限らないような項目は挙げません。いつも文句ばかり言っている割に、仕事は緻密で適切、お客さんからの信頼も厚い、なんて人は意外とけっこう居ます。「朝遅い、遅刻が多い」なども同じです。「あのひと朝は弱いけど仕事はめっちゃ出来るよね~」という人だって、全然居ますよね。

ここでは私がこれまで仕事で関わったなかで、これに当てはまれば100%、絶対に間違いなく仕事が出来ない人である項目だけを厳選して挙げることにします。これまで仕事で少なくとも1000人以上は関わったことがあると思いますが(もちろん絡みの濃淡はありますが)、これらの特徴に当てはまる人で仕事が出来る人に今まで一人たりとも会ったことはありません。

辛辣な言葉が続くかもしれませんが、まともな社会人なら絶対に避けるべき行動として、そして伸び悩んでいる方への愛のムチとして、これを記したいと思います。

1.誤字・脱字・変換ミスが多い

一つ目は、「誤字・脱字・変換ミスが多い」です。
そう、顧客宛のメールの宛名に「様」が抜けていて呼び捨てになっていたり、「以上、宜しくお願い致しまうs。」とかなっていたりする、アレです。

え??そんな細かい話?そんなん仕事の本筋に関係ないでしょ、大目に見なよそんくらい!
…と、お思いになったでしょうか??

違う。そんな細かい話をしているのではない。
メールの誤字脱字なんてそれ自体はどうでもいい。

誤字・脱字・変換ミスが多い人は、周囲からこう思われています。

  • メールを送信前に確認していない
  • きっと、見積書出すときも確認していない
  • どうせ、売上を集計するときも検算していない
  • プレゼン資料も、レビューに出す前に自分で読み直していない
  • 重要な商談前に名刺の残り枚数を確認していない
  • 自分の確認不足を、誰かがフォローしてくれると思っている
  • そのフォローしてくれる人の労力・コストを認識していない
  • 毎回念のため確認しておくコストより、確認不足でトラブったときの対応コストの方が結局高くつくことを理解していない
  • 無駄にコスト・会社のリソースを消費している、もはや背任行為では
  • 大事な仕事は任せられない。つまり、昇進しない、昇給しない、ミスってもどうでもいい程度のつまらない仕事しか与えられない
  • 窓際社員になり、早期退職プログラムは、まさにこんな人がターゲットだろう

…とまぁ、どこまで思われるかは思う側次第ではありますが、大体こんな感じに見られることになります。

誤字脱字に気を付けましょう、なんてことが重要なのではありません。そうではなく、「何らかのアウトプットを出す際に、自らきちんと確認しようとしない、無責任なマインド」が、問題視されているのです。誤字脱字は、そのいい加減なマインドが外に滲み出てきたものと言えるでしょう。

自分が作成したアウトプットや、自分自身がいまやっていること自体を客観視し、セルフレビューするためには、メタ認知能力→考える力の考察「メタ認知能力」)が必要です。

最初のうちは付箋を貼るでも、機械的にチェックリストで確認するでも構いません。とにかく、きちんと自分の仕事に責任を持ち、自分の手から離すときに必ずセルフチェックをすること、それが大事です。

今までの肌感覚だと、仕事が出来る人の誤字脱字発生率は、せいぜい月1回あるかないか程度ですね。週に何回も、メール四・五通に一回は間違えているようなら、かなりマズい状態であると認識した方が良いでしょう

2.既に取り返しがつかなくなってから報告する

二つ目は、「既に取り返しがつかなくなってから報告する」です。
もうすぐ大事な仕事のデッドラインが近づいてきて、気になったあなたは仕事を頼んでいた部下にこう聞きます。

「頼んでたアレ、どうなった?」

部下の返答はこうです。

「実は…、まだ全然出来てないんです。忙しくて、まだ手を付けたばかりです。」

あなたは憤慨します。

「えぇー!?もう間に合わないじゃない!それ、もっと早く言うべきでしょ!!!」

仕事が出来ない人は、タスクのスケジュール管理ができません。そのタスクを終わらせるためにあとどれくらい掛かりそうか、それは期限に間に合っているのか、間に合わなそうならどうやって挽回すればよいのか、そういったことをきちんと考えられていません。

  • 水曜日までの仕事なら、水曜日ちょうどに終わらせようとする。余裕を設けない。
  • 先に来たタスクを先にやる。後から来たタスクは後にやる。順番を検討しない。
  • または、急ぎと言われたものを盲目的にただ先にやる。そのせいで元々あったタスクが間に合わなくなっても、気付けない。

報告が遅い人に決定的に欠けているのは、自分の仕事の「外」を見る力です。

「自分の仕事が終わらないと、誰かの仕事も連鎖的に進まくなるのか」

「自分は、大きな仕事全体の枠組みの中のどの部分を担っているのか」

「目下実施中のタスクと、割り込んできたタスク、どちらの方を先にやるべきか」

このような事柄を認識・判断するためには、目の前のタスクをこなしながら、同時に一段上の視点から仕事全体を俯瞰して観る必要があります。このために必要になるのは、1.でも言及した メタ認知能力 です。

上司も知るべき基本動作 その1「報告」で考察したように、「報告した時点でもう既に手遅れ」というのが最悪の報告ですが、ここでは「仕事が期限に間に合わないこと」自体が悪いとは言っていません。もちろん良いことではないですが、やむを得ない理由で遅れてしまうことはあります。でも、間に合わないと分かっているのにそれを言わないのは絶対にダメです。

早期の「取り返しがつく」段階での報告は、全ての関係者に、起死回生のチャンスを生み出します。最も迷惑なのは、「遅れること」自体ではなく、「遅れるのが分かっているのに言わないこと」です。それを肝に銘じておきましょう。

3.同じことを何度も聞く

三つ目は、「同じことを何度も聞く」です。「教えられたことを次回すぐ忘れている」というのも同じです。

こういう人は、メモを取っていません。「メモ」とは、紙のノートや手帳だけでなく、付箋やテキストファイル、Evernoteなど、別に何でも構いません。とにかく、一度やったこと・教わったことを何かに書き留めたり、まとめたりをしていないことを意味します。

外部媒体への情報の蓄積は、今のところ人間だけが出来る、人類最大の機能です。(→「人類の最も重要な機能」の話。)これが出来ていないというのは、残念ながらまだ動物からヒトのレベルにまで達していない状態と言わざるをえません。

つまり、このタイプの人はこう思われることになります。
「あなた、それでも本当にホモ・サピエンスですか…?」

一度得た知識・ノウハウを、記録し、まとめ、今後に活用できるように蓄積しておく。ひとたび似たような仕事が来たときには、それをサッと取り出し、ゼロからやり方を考えるという面倒な作業をショートカットし、ミスしやすいポイントを避け、効率よく処理することができる。

つまり、「メモを取る」という行為は、「確か一回やったことあるけど、結構前だからすっかり忘れちゃったよー、てへぺろ」などという経験値の消失や能力の退化を防ぎ、一度でも確保した足場はしっかり踏み固め、後戻りしないよう楔を打っていく行為に他なりません。

これは「成長のスピード」にも影響を及ぼします。「3歩進んで、2歩下がる」ひとよりも「3歩進んで、全く下がることはない」ひとの方が3倍成長が早いのは火を見るより明らかでしょう。

また、同じことを何度も聞くのは、せっかく親身になって教えてくれた先輩や上司にも失礼です。教えてくれた時間と労力を無駄にしただけでは飽き足らず、さらに「何度でも」、相手の時間と労力を無駄にしてやろうという態度なのですから。

同じことを聞いていいのは、百万歩譲っても、2度までです。(先輩や上司が仏なら、3度まで許してくれるかもしれませんが。)
何か重要なことを聞いたなら、今後も役立ちそうな知見を得たなら、とにかく必ず、忘れないうちにどこかに書き留めておくようにしましょう。

MEMO:
最近、「新人さん!分からないことがあったら遠慮せず何度でも質問してくれていいよ!先輩が優しく何度でも教えてあげるよ!!」という先輩社員のツイートが賞賛されているのを見かけましたが、別に先輩側が、「何度聞いてくれてもOK」というスタンスであることは直ちに問題とはなりません。ですが最悪なのは、「メモも取らず何度も同じことを聞いてくる後輩」と「それを注意せず何度でも同じことを教えてしまう先輩」の組み合わせです。それだと後輩はいつまで経っても全く成長せず、先輩は貴重な時間を割かれて本来の業務時間が減ってしまいます。

その逆の、「一度聞いたことは絶対に忘れないぞ!という気概のある後輩」と「基本的には優しく教えるけれどもあまりに同じことを何度も聞いてきたら注意する先輩」の組み合わせが最強です。自分が後輩の場合、自分が先輩の場合、どちらもあり得ると思いますが、このかたちを目指していくのが良いかと思います。

これらの行動を避けることは、結局はあなたのためになる

以上3つが、仕事が出来ない人の特徴になります。
「なぁんだ、こんな基本的なことか。そんなん分かってるよ」という人は、大丈夫。一方、「う…、ちょっとばかり心当たりあるかも…」という人は、少し行動を見直したほうが良いかもしれません。

これら3つを避けることに、あまり価値を感じないという方もいらっしゃるかもしれませんね。例えば、「細かい誤字脱字になんて気を付ける暇は無いくらい忙しいんだ」とか、「メモんなくても詳しい先輩に聞いちゃった方が早い」とか。

でもね、違うんです
これらの行動を避けた方が良いというのは、”会社側” の利益のために、あなたに理想的な社畜になってほしくて言っているわけではないんです。これらの行動を取ってしまうと、あなたは間違いなく、評価されず、給料も上がらず、面白い仕事を任されることもなく、成長も遅く、終いには誰も一緒に仕事をしてくれなくなります

つまり、これらの行動は顧客や会社、周りの社員に迷惑をかけるというだけでなく、あなた自身が最も損をする行動なので、あなた自身のために、避けたほうが良いということなのです。

会社のためではなく、他でもないあなた自身のために、これらの行動を絶対に避けることを改めて強くお勧めしておきます。

今回のまとめ

  • 絶対に100%間違いなく仕事が出来ない人の特徴は、「誤字・脱字・変換ミスが多い」「既に取り返しがつかなくなってから報告する」「同じことを何度も聞く」の3つ。例外は確認できない
  • これらの行動は、その行動自体よりも、「そのような行動を取ってしまうマインド」に問題がある。単にその行動を避けるだけでなく、背後にあるマインドを入れ替える必要がある。
  • これらの行動を避けることは、結局はあなたのためになる。会社のためではなく、あなた自身のために、行動を見直していこう。

ではでは今回はこの辺で。

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